ストレス社会である現代、うつ病を抱える人は増加傾向にあります。症状が悪化して会社を辞めたり休みたいと考えても、生活を考えればなかなか踏み切れないものです。家計を支えている立場であれば、尚更口には出せません。お金の問題に頭を悩ませずに休養を取りたいという場合には、うつ病傷病手当を利用しましょう。うつ病傷病手当とは、仕事ができずに給料が受け取れなくなった場合に、生活を支えてくれる給付金のことを指します。申請から1ヶ月程度で支給が開始されるので、収入が途切れる心配はありません。最大で1年6ヶ月まで支給されるので、会社を辞めるにしろ休むにしろ十分に休養が取れるでしょう。給付金の額は、標準報酬月額の2/3程度ですが、全く収入がなくなってしまう状況に比べればまだ良い方だといえます。うつ病傷病手当は、平成28年4月に法改正されたことで、出産手当金との併用もできるようになりました。傷病手当金の金額が出産手当金の額よりも多い場合は、その差額が支給されます。
うつ病傷病手当は、社会保険の健康保険加入者であることを条件に申請することができます。国民健康保険の加入者は対象とならないので、注意してください。また、うつ病傷病手当は、最大で1年6ヶ月の間受給が可能ですが、労務不能となって3日間は待機期間扱いとなります。つまり、会社を休んでも最初の3日間は傷病手当が発生せず、4日目から発生することになるという点にも注意が必要です。傷病手当はケガや病気の場合、その都度申請できますが、うつ病のような精神的な病の場合は、病名は異なっても同一だと判断されてしまう可能性あります。そのため、うつ病を何度発症しても、1年6ヶ月以上は傷病手当を受給できない可能性が高いといえます。うつ病傷病手当は、国ではなく企業が自主的に設けている制度です。制度そのものを実施していないという企業も珍しくないので、休職や退職を希望する際には、まずは自社内の制度について調べておきましょう。休職の条件や期間、復職条件といった内容を調べた上で、先の見通しを持って申請することをおすすめします。